2007年10月21日日曜日

Annual Program Retreat (10/11/2007)

今日は朝からSouth MasonのAurelius Baptist Church Family Centerというところで`Annual Program Retreat`のworkshopに参加してきました。

これは、ここMSUとその周りの病院、クリニックを母体にしたレジデンシープログラムを見直すための会で、各プログラムからレジデントと指導医が参加してそのプログラムについて喧々諤々と議論する場でした。
こういうReteratは年に何度か持たれるようで、The Accreditation Council for Graduate Medical Education (ACGME) http://www.acgme.org/acWebsite/home/home.asp が、研修制度の保障のためにプログラムにこういう会を持つことを要請しており、この会もこの規則にのっとったものだそうです。

みなさんも予想されるかもしれませんが、参加はしたものの実際僕がそこにいるのはかなり場違で肩身のせまい思いをしながらの参加となりました。
ただし、こういう会があることを経験できたことは良かったと思います。とにかく、こういうレジデントとFacultyを交えての機会がもたれることは大変健全だと思われるし、質を見張るためにACGMEという機関があるのもアメリカらしいと思いました。

以下、内容について:
中身としては、いくつかの分科会に分かれていてそれぞれ、分科会ごとのテーマで議論することになっており、木曜日というまったくの平日にもかかわらず、総勢50人くらいの参加でした。
最初に概要のプレゼンテージョンがDr.Georgeから1時間程度あり、その後、午前は3つの分科会、午後は4つの分科会に分かれて討論がなされました。僕は午前は'Osteopathic Principles and Practice',午後は'Building a More Effective Patient Care Team'というテーマの分科会に参加しました。

<以下、私の日記より>

午前の'Osteopathic Principles and Practice'では、Sparrow/MSUでのFamily Medicine Residency Retreatというテーマで、Osteopathic Principles and Practice Breakout Sessionと題してworkshopが行われた。あまりにもDOのことを良く分かっていないため、とうていこのディスカッションの内容を理解するには遠く及ばないが、理解した範囲で言うと、DOは最近でこそようやく世間に認知されるようになってきたが、まだまだMDと比べて制限がある部分が多くある。特にBoardの問題がそう。DOの学校を卒業し、Residencyを卒業してもBoardが取れないらしい。また、信頼性acreditationをいかに勝ち取るか、というのがテーマのようだ。

こちらのワークショップはすごい。大体15人程度のグループでのdiscussionとなったが、ほとんどみんながバシバシ意見を言う。もじもじしている人はあまりいない。かなり白熱したdiscussionが行われた。参加者はDOの人が半数以上をしめているようだった。
DOについて-(AOAのホームページhttp://www.osteopathic.org/index.cfm?PageID=aoa_main

wikipedia、そして本日個人的に説明をうけた内容よりDOについて自分なりにまとめてみると:Andrew Taylor Still, M.Dという人によって1892年にKirksville(MO)で、アメリカのOsteopathy(現在Health SciencesのA.T.スティル大学のOsteopathic MedicineのKirksvilleカレッジ)学校を設立されたのが最初。Taylorは自分の子供を3人meningitisで亡くし、当時の医療とは違って本当にいい医療を模索したらしい。Osteopathic Medicineは、できるだけ検査や余分な薬などに頼らずに患者をholisticに見て治療をすることを使命としている。DOマインドというのも、bio-phyco-social model, ethicalにもprofessionalにも患者に責任を負うといつ立場をとっていて、そういう意味でもFMと相通じるものがあるとおもう。

以下、wikipediaのosteopathic medicineの項より引用。‘Osteopathic medicine is a diagnostic and therapeutic system based on the premise that the primary role of the physician is to facilitate the body's inherent ability to heal itself.
DOはこのアメリカにおいてはMDに劣らない資格を有する。すなわち、MDができるのと同じくらいなんでもできる。いや、MDよりも余計にいろいろ勉強をせねばらないぶん、MD以上のことができると思う。別になんでもできる。外科医のODもいるし、整形がきらいなひともいるくらいだ。FPとDOの違いは、FPはより予防医学的な部分があるのが違いかもしれない。

現在アメリカには6万人程度のDOがいて、これは全ての医者の5%程度だという。アメリカにはOsteopathic collegeが26あり、medical schoolの学生の5人に1人がosteopathic schoolに登録しているとのこと。


午後は、研修制度に対してのおそらくレジデント対指導者側とのディスカッションで、これもかなり白熱したものとなった。やはり中身はわかりにくかったが、扱っている内容は日本と同じようなものがあがっていた。たとえば、全てのケースでプリセプをする必要がないんじゃないか、とか、tailor madeの外来研修、よそのプログラムとのcooperationとか、休暇と給料がもっとほしい、とか、インターンの廃止とか、、、、その中でfacilitatorはアウトカムとの整合性があるのか?などが議題にあがっていた。

全体を通して:
午前中は、DOとMDの問題、特にDOの信用性の問題が今も尚残っているとうことを肌で感じた。accreditationを勝ち得るためにDOたちはもっと自分たちの価値やアイデンティティを広めて行く必要がある、といった内容のディスカッションであったと思う。

午後は、レジデントと指導医も交えたプログラムの検討会であった。平日の1日をつぶして、こういうレジデンシープログラムのRetreat(再検討?)がレジデントと指導者との間でもたれ、健全な話し合いがされるのは素晴らしいことだと思った

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