2007年12月15日土曜日

Shadowing(Clinical Center)

11月の末から12月の中旬にかけてMSUのClincal Centerで、以下のドクターのShadowingをした。

11/26 Cathleen Abbott
-妊婦検診4人くらいあり。MSUの中には診療でprenatalケアをしているドクターが4人程度いるそうだが、その中でも一番患者数が多いとのこと。その他は整形疾患(frozen shoulder)、2ヶ月検診の子供のワクチン、Aquatherapyの紹介、かなり重症のうつ疾患2名などあり。
-EMR(Electrical Medical Record)への記入は基本的には診察後

11/28 Vince WinklerPrins
-受診ではない子供にもちゃんと声をかけて配慮していた。説明はかなり丁寧。
-患者さんの中に皮膚硬化症の亜型というsteroid dependantのかなりの重症患者がいて、Vinceの説明によると「あの患者は家庭医が皮膚疾患に対して何もしてあげられないのは分かったうえで診察にくる。日ごろのストレスを聞いてくれる医師がいるだけで、彼女は満足しているようだ。家庭医にはそういう役もあると思っている」とのことであった。
-EMRへの記入は基本的には診察後

11/29 Hend Ashary
-EMRへの記入は基本的には診察後

11/30 Braian Rayala
-年齢が近いのもあってか一番好感の持てた医師。説明も丁寧。
-14歳のうつの患者を家族療法家に紹介していた。
-フィリピン出身のドクターで、日本のシステムの現状を聞いてフィリピンのシステムとの違いを説明してくれた。
-EMRへの記入は基本的には診察後

12/10 David Walsworth
-診察しながらEMR記入。
-Reminder機能をはじめ、電子カルテの機能を一番使いこなしていた。たとえば、子供のワクチンや、大腸がん検査、PSE検査、コレステロール値から算出する10-year colonary riskの説明など。

12/11 William Wadland
-診察しながらEMR記入。
-ベンゾジアゼピン系の薬はrifillが早くなくなる人の場合は要注意ということを聞かされた。
-travel medicineの患者はhealth centerの中のtravel medicineを紹介していた。

<その他所感、気づいた点>
-個室の診察室に入っている患者さんのところにドアをノックして入るスタイル。診察室には診察台があり、足台が診察台からニョキッと出るようになっていて、婦人科の診察もできるようになっている。電子カルテが一台備わっていて、処方箋などをだすときや、lab検査の結果説明をするときなどに用いている。ドクターによっては、診察中は一切カルテ記載はしないで、しっかり患者の話を聞くことに重点を置いている人が多い。
-大体、1単位当たり1日7人~10人くらいの患者数。一人15分から30分程度の診察時間
-落ち着いている慢性疾患の患者であれば3~6ヶ月ごとのフォロー。その間の処方はrefill(薬がきれても、決まった期間は診察なしで薬がもらえるようになっている処方箋)でまかなわれる。
-2割り程度の患者はうつあり。印象としては、日本よりもやや多い印象。大学のクリニックというバイアスはあるかもしれない。
-日本より、副作用を訴えたりアレルギーを訴える患者が少し多い印象。神経性の疾患が多いのとも関連するか?
-家族歴はかなりこまめにチェックしていたのが印象的であった。1回のvisit毎にたいてい確認していた。
-患者層は心疾患、うつ、偏頭痛(以外に多い)、筋骨格系、甲状腺内分泌、皮膚疾患、成人病疾患など。患者層は幅広く、日本よりもやや精神疾患が多い印象意外は、患者層にはそれほど差はないと思われる。やはり慢性疾患が多く、感染症などの急性疾患は少ない。 -Health Mentenanceは限られた時間の範囲内で比較的しっかり指導している印象あり。teenagerの指導は患者数もあまりなくあまりみる機会がなかった。シートベルトやヘルメット、避妊や酒、ドラックなどのカウンセリングの機会はなし。変わりに、PSE検査の利害説明や、DMのfoot touchの検査、運動のすすめやコレステロールの管理の件、禁煙指導などはよくされていた。婦人科の乳がん検診とpap smearは普通の診療の中に組み込まれていた。コレステロールの管理は日本よりもかなり徹底して行われている印象で、一応life styleの変化を促す一方で、スタチン系の薬はバンバン投入されている印象だった。
-身体診察は、ルーチンで、耳、鼻、のど、甲状腺、頚部を見ていた。たまに時間が押しているときは省かれるが、こっちでもお作法として定着しているのか、基本的には全患者診察していた。
-基本的に全てのドクターは日本と同じでかなり忙しい。特に臨床、教育、研究をこなしているドクターは日本と同じで相当忙しい様子。1単位4時間の外来は10人程度でも毎回ほぼ時間枠を超えることが多い。みんな、1人一人の患者がけっこう複雑な疾患を持っているうえに、フォロー期間が長いのもあって、訴えを聞くだけで一人ひとりかなり時間がかかる印象。 

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